引用資料
- 熊本地震にみる木造住宅の被害「私は見たそして伝えたい」2016.11特定非営利活動法人木の建築フォーラム刊より
- 「なぜ新耐震住宅は倒れたのか」2016.日経BP社刊より
※内容にご不明な点がありましたら遠慮なくフリーダイヤルで小野まで
A.全体像について
- 熊本地震は震度7が二度も起こったせいで他の単発地震より地震による破壊力の状況がより判明。
- 基準法ギリギリの建物は震度6強で倒壊する傾向。基準法は震度7以上を想定していない。
- 旧住宅金融公庫の建物は検査があったので被害が少ない傾向。
- 重い屋根、壁ほど倒壊率が高い傾向
- 全壊建物 全体の24%(D4以上D5、D6)1981年以前40%、新耐震2000年以降6%。耐震等級3ではほぼ無被害。
B.耐力壁について
- 壁量は足りていても接合金物の不備で倒壊した建物が多くあった。
- 上記の傾向の背景には筋交いは圧縮力を負担するものと考えられていたため、接合部には注意が払われずに引っ張りを受けた際にはずれて次の圧縮で多くの建物が倒壊。
- 2P(1間空き)にある筋交いの破壊が全壊した建物に多数見つかった。
- 1.5P.2Pの筋交いは使わない方がよい。どちらも1P(0.5間)の7割減。
- 特に出隅下部の2Pはホゾ、土台を破壊に働くので使用しない方がよい。
- 筋交いは地震力で面外に曲がり易く破断する傾向があるので、曲がりを抑制(交差部を連結するなど)する必要がある。
- 筋交いから構造用合板等による耐力壁への移行が望ましい。構造用合板の方が破壊に対する変形能力、粘り強さがある。
- 構造用合板でも釘ピッチ足らずで倒壊した建物があった。
- 同上で「釘のめりこみ」による粘り不足で倒壊。プラスターでも同様のことが言える。GB-R-H耐力石膏ボードは1.8倍、構造用合板と同じ強度がある。
- 構造用合板の釘間隔を半分にすれば耐力は1.8倍になる。150m/mピッチ、外用部は100m/mが標準、75m/mピッチで1.8倍、釘NC65使用。
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2階建では直下率(2Fにある耐力壁の下にある1Fの耐力壁)不足による倒壊が多くみられた。
- 1)2Fの地震力増幅。
- 2)耐力壁の効力の低下。
- 3)引き抜き計算、2次元的配慮が不足。
C.金物について
- HD(ホールダウン)金物の配置をバランスよくする。筋交いによって引き抜きが起こる柱に配置。出隅だから必要ということはない。
- 補強場所の集中化によって起こる建物の分離による破壊もみられた。
- 増築の場合、旧建物との耐震性の違いによって破壊が起こる。(一体化か、エキスパンションか)
- 南阿蘇村の倒壊した7棟のアパート(死者が出た)は、柱脚、柱頭、筋交いなど接合方法は殆ど釘打ちであった。
- S56年以降の建物でもZ金物を使ってない建物が多数倒壊した。
- 柱、桁、土台との接合部の不備による建物が余りにも多い。
- 柱と桁の山形プレートの釘が正規(ZN-90)が使われてない。
- 角金物のL型、短片方向が柱につけてあるものもあった。
D.その他
- 巾の1/3以上ある節の筋交いは使用しない。特に中心にあるものは避ける。
- 壁の直下率X・Yとも50%以上。
- 柱の直下率X・Yとも60%以上。
- 最低でも耐震等級2を確保が望ましい。
- 瓦の被害で瓦をビス止めしたものには被害がなかった。
- 屋根の重さだけではなく壁の重さも倒壊に影響。
- 小屋梁等は必要以上に大きいものを使用しない。重力の加速度で破壊に働く可能性がある。
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